約1万回のページ送り(飛ばし読み省く)をサンプリングして、読者の平均的な読書スピードを試算してみました。
結果は、
400字あたり、25.3秒
という数字でした。ふむふむ。
ページ送りのスピードは作品の性質によっても大きく変わるとは思いますが、その辺はあまり気にしないでおくとして、こういう数字が出ると、色々と丼勘定してみたくなります。
まず平均的な読書能力を持った人材の時給を大体1000円ぐらいに設定しましょうか。
(本当はもうちょっと高い気もしますが)
時給1000円は秒給で0.2778円
400文字が25.3秒だから、一文字は0.63秒
てことは、一文字読ませるのにかかる人件費は、
0.2778 * 0.63 = 0.0176(円/字)
つまり、
1万字(原稿用紙25枚)だと176円
10万字(原稿用紙250枚)だと1760円
小説ってのは原稿用紙250枚から、なんてことが多いような気がするので、一般的なボリュームの小説を読んでもらうコストってのは、平均的な読書能力を持った人材を一時間半ぐらい拘束するだけの人件費がかかるってことですね。
こういった数字を元に、今度はカルマという側面から色々と試算してみましょう。
縦書き文庫のカルマは、おおよそ400文字の読書で一つ増える計算になります。
カルマは読書だけで増えるわけではないのですが、カルマの9割はおそらく読書カルマだと思いますので(未確認)、ここではカルマ=読んだ原稿用紙の枚数、という前提にしておきましょう。
先ほどの試算を元にすると、
400字のコストは約7円(0.0176 * 400)で、
縦書き文庫の平均カルマは現在138ですから、
縦書き文庫のユーザーさん一人当たり金額に換算すると、
138 * 7 = 966円
つまり一人当たり千円ぐらいの価値を(他人の為に)生み出してくれている、という結果。
ということは、縦書き文庫の現在のユーザー数は309人なので、全体の価値にすると
966 * 309 = 約30万円
これに加えて、非ログインユーザーのカルマが現在2万5328なので、
25328 * 7 = 約18万円
つまり合計で約50万円ぐらい。多いのか少ないのか良くわかりませんが、仮に寄付金がこんだけのサイトがあったとしたら、なかなかじゃないでしょうか。
試算した善意の総量がこれだけあるってことがわかったら、なかなかネットも捨てたもんじゃないな、という気になりました。
青空文庫の資産価値なんてものも、計算してみると楽しいかもしれませんね。