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ブラウザと小説の新しい関係を模索する

NehanReaderで見開き表示をサポートしました

NehanReader(v2.4.3)より、設定から「見開きレイアウト」を選択できるようになりました。

Nehan Reader - Chrome ウェブストア

PCのディスプレイは横に長いので、横書きは見開きのほうが読みやすいかもしれません。

例えばWikipediaを見開きで表示すると、こんな風に。

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青空文庫だとこんな感じ。

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あんまり意味はありませんが、縦書きを見開きにすると、こんな感じ。

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見開きレイアウトを有効にするには、上部のメニューバーにある「設定ボタン」を押して…

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設定項目の中から「Two Page Spreads」を選択します。

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ちなみにショートカットキーも用意されていて、

  • 1キーを押すとシングルページレイアウト
  • 2キーを押すと見開きレイアウト
  • vキーを押すと縦書き表示
  • hキーを押すと横書き表示

になります。

10秒でわかるpseudo-classとpseudo-elementの違い

pseudo-class

pseudo-classは、左側のセレクターに続けて「〜が」と読みます。

/* liが最初の子だった場合 */
li:first-child{
  margin-top:0;
}

「〜が」だから、左側がマッチする要素です(上の例ではli)。

pseudo-element

pseudo-elementは、左側のセレクターに続けて「〜の」と読みます。

/* liの先頭文字 */
li::first-letter{
  font-size:3em;
}

「〜の」だから、右側がマッチする要素です(上の例では::first-letter)。

まとめ

どちらもpseudoと付いていますが、全く性質の異なるものです。

しかし古い仕様ではコロンがどちらも1つで記述されていて(例えば:first-letterとか)、紛らわしいという問題がありました。

なので最新の仕様では

  • pseudo-classにつくコロンの数は1つ(:first-childとか:last-childとか)
  • pseudo-elementにつくコロンの数は2つ(::first-letterとか::beforeとか)

というのが、正式な文法となっています。

ただし古いCSSと互換性を保つために、大体のブラウザではコロン1つでも通るようになっています。

余談

ちなみにnehan.jsの場合、コロンの数は厳密に区別します。

つまり::first-letterとすべきところを:first-letterと書いてしまうと、単に「未定義のpseudo-class」と見なされてしまいます。

Nehan.setStyle(".foo:first-letter", {fontSize:"3em"}); // NG(未定義のpseudo-class)
Nehan.setStyle(".foo::first-letter", {fontSize:"3em"}); // OK!

Nehan Readerにて、背景色が設定できるようになりました

世間の声を聞いていると「白背景のテキストは眩しい」って人が結構いるようです。

というわけで、Nehan Reader ver2.2.38からは、背景色が選べるようになりました。

chrome.google.com

サイドメニューに「Background Color」というメニューが追加されています。

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押すとダイアログが開くので、色選択ボタンをクリック。

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カラーピッカーが開くので、好みの色を選んで下さい。

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試しに灰色の背景にしてみると、こんな感じに。

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直感的に素直な感じでカスタムなリストマーカーを作りたい

例えば標準で用意されていないリストマーカーをUnicodeなんかで作りたいとき、以下のようにli::beforecontentを設定してマイナスのマージンをセットする、みたいなやり方がよく知られています。

ol li:nth-child(1)::before{
  content:'\2460'; /* CIRCLED DIGIT ONE */
}
ol li:nth-child(2)::before{
  content:'\2461';
}
/*
 (3〜9は省略)
*/
ol li:nth-child(10)::before{
  content:'\2469';
}
ol li::before{
  position:absolute;
  margin-left:-2.5rem;
}

しかし、このやり方ではnth-childの数字別にcontentを宣言することになるので、面倒だと思うのです。

もしかしたらcounterみたいなcss内の関数を使って色々できるのかもしれませんが…

nehan.jsを使った場合は、list-style-type関数値を設定することで、動的にunicodeを指定するスタイルがシンプルに記述できます。

Nehan.setStyle(".lst-circled-digit > li", {
  listStyleType:function(ctx){
    var index = ctx.getChildIndex();
    return String.fromCharCode(0x2460 + index);
  }
});

nehan.jsでは、list-style-typeが標準で定義された識別子ではない場合、css値がそのままマーカーとして使われるようになっています。

あるいは、::markerというli直下に差し込まれるpseudo-elementのcontentを動的に設定するやり方もあります。こちらのほうがわかりやすいかもしれませんね。

ただし::markerは公式のcssではまだdraftの扱いです。

Nehan.setStyle(".lst-circled-digit > li::marker", {
  content:function(ctx){
    var index = ctx.getParentStyle().getChildIndex();
    return String.fromCharCode(0x2460 + index);
  }
});

こうした上で、次のようなHTMLを組版させると

<ol class="lst-circled-digit">
  <li>あいうえお</li>
  <li>かきくけこ</li>
  <li>さしすせそ</li>
</ol>

縦書きと横書きで、それぞれ次のように表示されます。

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Nehan Readerにて、オプションからフォントを自由に設定できるようになりました。

Nehan Readerのversion 2.2.37より、オプションからフォントを自由に設定できるようになりました。

Nehan Reader - Chrome ウェブストア

「涅」のボタンを右クリックして「オプション」へと進んでください。

以下のように、cssfont-familyの値をダイレクトに設定できます。

f:id:convertical:20160312201208p:plain

設定すると、常にこの値が使用されるようになるため、右メニューにあった「明朝」とか「ゴシック」の設定スイッチが表示されなくなります。

設定値を空白に戻すと、また有効になります。

小説家になろうとカクヨムのテキストを縦書きページ送りで表示する

Nehan Reader(ver2.2.35)をリリースしました。

実はMacでしか確認していないので、Windowsで読みにくくなってるかも。もしそうなら、どんな状態か教えてくだされば善処します。

[2017/01/24追記] Windowsで表示が崩れる問題が修正されました!

chrome.google.com

Nehan Readerを使うと、例えばWikipediaなんかも、こんな感じで縦書きに。

f:id:convertical:20160405181831p:plain

もちろん横書きにすることもできます。

f:id:convertical:20160405181918p:plain

横書きの場合は「見開き」にすると読みやすいかも(設定から Two Page Spreads を選択)。

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更新内容

小説家になろうカクヨムといったサイトの場合は、特別に幾つかのスタイルを設定するように修正しました。

  • 間に入る空白行が詰めて表示されるようになりました。
  • どちらのサイトも(理由はよくわかりませんが)タイトルやサブタイトルなどにヘッダータグが使われていないので、これらをヘッダ扱いしてテキスト内の目次として表示させるようにしました。

余談

カクヨムの段落は、それぞれに固有のidが割り振られているのが興味深いです。

ひょっとしたら段落別のフィードバック機能を考えているのかも?

実は自分もそういう機能を実装したことがあるのですが、あんまり利用してもらえなかったのは苦い思い出…

そういえばMediumも、いつのまにか段落コメントじゃなくなってる気が。なにかあったんでしょうか?

nehan.js 5.5.0

nehan.js 5.5.0をリリースしました。

github.com

以下、5.4.x系列からの変更点です。

変更点

  • pseudo-classの:matches, :not, :langをサポートしました。
  • MathJaxを試験的にサポートしました。demo
  • サロゲートペアに対応しました。これにより、emoji等が文字化けせず、そのまま出力できるようになりました。demo
  • ブラウザがサポートしてる場合は、ネイティブなtext-combine-uprightが使用されるようになりました。demo
  • text-orientationの値にsideways, upright, mixedが指定できるようになりました。demo
  • list-style-positionの値に、insideが指定できるようになりました。
  • cssのfont値をshorthand形式でも指定できるようになりました。
  • Nehan.Preloadsモジュールの追加。サイズ未設定のimgmathなどのサイズが動的に取得されるようになりました。
  • selector-keyの値に関数を指定した場合、当該セレクタonloadフックとして評価されるようになりました。
  • nehan.jsによる組版から除外して、外部ソースをそのまま取り込むための属性値の名前がpastedからlazyに変更されました。
  • Nehan.PagedElementが削除されました。今後はNehan.Documentを使用して下さい。
  • Nehan.LexingRuleが削除されました。今後、シングルタグの定義にはNehan.setSingleTagNameを使用して下さい。
  • Nehan.Rgb, Nehan.Palette, Nehan.Colorsモジュールが削除されました。

Nehan.PagedElementの削除について

v5.5.0から、Nehan.PagedElementが削除されました。

これの中身は、単なるNehan.Documentのラッパで、やってることはページ状態と表示先DOMをDocumentクラスと一緒に管理しているだけのものです。

Nehan.Documentと役割が被ることが多いので、今回のバージョンアップで削除してしまうことにしました。

MathJaxについて

MathJaxのサポートですが、現時点では本ソースへの取り込みではなく、プラグインでの対応です。

詳しくは以下のリンクから確認して下さい。

https://github.com/tategakibunko/nehan.js/tree/master/plugins