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ブラウザと小説の新しい関係を模索する

「PayPal」を使ってテキストをシンプルに売るサービス「PayPub」を作りました

 テキストをシンプルに売り買いする仕組みとして、PayPubというサービスをつくりました。

 名前からもわかる通り、お金のやり取りにはPayPalを使用します。

 同様の他のサービスと少し違うのは、支払いの受け取り先がダイレクトに作者のPayPal口座になっている点です。なので売れたときは、売り上げの全てが即座に作者の口座に入ります。

 もちろんPayPalを決済に利用するわけですから、作品を売りたい場合はPayPalプレミアアカウント(無料で作れます)を作る必要があります。

 このサービスは、実は縦書き文庫の後継サービスとして作ったわけですが、以下に縦書き文庫にはない新しい特徴などを挙げていきます。

作品のテキストファイルとクラウド上の閲覧権を売ることができる

 もちろんこれが最大の違いです。

 売るのは、作品のテキストファイルと、作品をクラウド上で閲覧する権利です。

 作品ファイルのフォーマットは、シンプルなテキストファイル(をzipで圧縮したもの)になります。

 ダウンロードして、好きなテキストビューアで読むも良し。オンラインで読むも良し、ということです。

 もちろん作品は無料で公開することも出来ます。

有料プランで制限字数を大幅に増やすことが出来る

 無料プランの文字数制限は縦書き文庫と同じく三万字ですが、有料プランを契約すれば大容量のテキストも配信できるようになりました(最大字数は30万字を予定)。

 ただ、実際の提供は無料サービスの負荷を見極めてからにしたいので、もう少し先になります。

ポイントアップ報告が一時間ごとに来る

 今まで一日一回の報告だったのが、一時間おきに来るようになり、リアルタイム性が増しました。

ページ送りのログが作品別、日付別、IP別に確認できるように

 前々から要望があったことなのですが、ページ送りログの機能を向上させ、全ログの履歴に加えて、日付、IP、作品別のログが確認できるようになりました。

 また作品の読書マップ(読者の減少過程をグラフにしたもの)は、作者だけが確認できるプライベートな情報になりました。

Amazonライクなレビューシステム

 読了リストやツイッター連携に加えて、Amazonのようなスターレーティング付きレビューシステムを追加しました。

 匿名レビューは不可で、レビューにも評価が付きます。通報機能もあります。

統計情報は外部APIで提供

 実はPayPubには、縦書き文庫のような、作品を紹介する各種ページがありません。

 そうした情報は、外部APIで提供するようにしています。

 まだ準備中ですが、いずれ新着やホットエントリーやポイントランキング、売り上げランキングなどのような情報をAPIとして提供する予定です。

ビューアーは簡易ビューアと高機能ビューアの二つを選択可能

 機能を必要最小限に絞って高速に表示できる簡易ビューアーと、フル機能だけど初回起動にはやや時間のかかる高機能ビューアー、どちらを表示に使用するかを作者が作品ごとに選べるようになりました。

作品のビューアーと作品の紹介ページを分離

 作品タイトルをクリックすると、いきなりビューアーが開くのではなく、いったん紹介ページを経由するようにしました。

 紹介ページでは、あらすじや作者プロフィールのほか、レビューや読了リスト、ついったーのトラックバックなど、作品への各種フィードバックが一度に俯瞰できます。

 ダイレクトに作品を読ませるよりは読者にアピールできる形になったのではないかと思います。

注意事項

 運用の都合上、一度でも有料にした作品は削除できない仕様になっています(ただし非公開にすることはできます)»その理由

 またPayPalのプレミアムアカウントについてですが、クレジットカードを登録しないと銀行口座への引き出しに制限があるようなので、ちゃんと登録したほうがいいと思います。しなくても使えますが。

 そして特に重要なことなのですが、作品が売れたときは、売り手の情報がある程度は顧客に明らかにされます。

 具体的にはPayPalのメールアドレスと、アカウントに登録した氏名が相手に伝わります。お金を貰うわけですから、それぐらいは仕方ないと思いますけどね……

開発後記

 最初は「PayPalからの振り込み通知を拾って、テキストのアクセス権を登録するだけの処理だろう」と思っていたのですが、作っているうちに「こういう場合はどうなるんだろう」みたいな疑問が次々と浮かんでしまい、ちょくちょく手が止まってしまいました。

 特に悩んだのは有料テキストの削除についてです。編集権を持つ作者と閲覧権を購入した読者で、いくつかの権利がバッティングするので、運用ルールについては迷いました。

 あと避けては通れない取引エラー時の対応ですが、これは出来るだけ自動化できるようにしました。ヘルプも珍しく丁寧に書きました。

 技術的な面では、これまでいい加減に扱っていたBigTable固有の問題について、きちんと意識したコードを書くようにしました。

 なるべくクエリじゃなくキーで取る設計にしてインデックステーブルを減らすとか、エンティティグループを最小にしてコンテンションを減らすとか、30秒問題に引っかからないように処理をキューするとか、ページ処理をlimit, offsetでやらないように、とか色々です。

 新サービスは縦書き文庫を色々な面でパワーアップさせたサービスになっているので、縦書き文庫のユーザーにもぜひ使って欲しいです。

 gaeインフラの使用料については、有料プランの収益でまかなえるようになることを期待しています。

 ただ、PayPalとPayPubって名前的にややこしいですよね……