海外の自費出版系のサービスの現状としてこちらのエントリーが興味深かったので、大雑把な邦訳をしてみました。
ちと長いのですが、ご容赦ください。
オンライン個人出版サービスはユーザーに作品を作成し、公開し、宣伝する手段を与えてくれます。
こういったサイトを利用することで、これまでは作者がエージェントを見つけ、エージェントが出版社に提案する、といった数ヶ月、あるいは何年もかかっていたようなプロセスを省略することが出来ます。以下は個人出版を手助けする6つの素晴らしいサービスです。これらのサービスを使うことで、あなたは本を作成し、様々なところ(例えばamazonなど)で売ることが出来るようになります。
1. Lulu
Luluは様々な本を作成できるほか、様々なデジタルメディア、例えば着信メロディーとか音楽とか、動画や電子書籍などを売ることもできるサービスです。自分の古い書籍や写真やアルバムなどをスキャンしてデジタル化することも出来ます。作成した本はプライベートに保存しておくことも出来ますし、一般に公開することも出来るようになっています。
本を作成すると、作者はその本の証明書をダウンロードもしくは印刷できます。完成した本は、作者専用に作られた店舗サイトで売ることができます。本はGoogle Book Search(Beta)上にも表示されるようになり、検索結果の本をクリックすれば、そこにLuluへのリンクが表示されるようになります。
Luluでは、作者と似た傾向の本を売っている人たちでグループを作って、お互いの本を売り合うことも出来ます。
このグループのメンバーは互いにブログやフォーラムを共有し、同様の関心を持つ個人として未来志向のコラボレーションを構築できます。
ユニークな点は何か?
Luluは300MB以上のファイルを転送できるFTPサイトを提供しています。さらに、有料サービスにはなりますが、外部サービス(例えばAmazonやBarnes & Noble)と連携することも出来ます。
残念な点は何か?
独自のテンプレートやレイアウトを構築することは出来ません。
価格
ソフトカバーは$7.60からで、ハードカバーは$17.48からです。
2. Blurb
Blurbでは殆ど全ての種類の本を作成できます。例えばノンフィクションとか、写真集とか、レシピ本とか、色々です。また利用者はサイトが提供するテンプレートやレイアウトを自分のデザインとしてインポートすることも出来ます。またユーザーは作成した本を公開にも非公開にも出来ます。
公開した本は、Blurbのサイトにて販売できます。冒頭15ページだけをプレビューとして表示させるといったこともできるようです。
また検索ランキングをあげるために、作品にサブタイトルを付けたり、タグやカテゴリーや詳細情報を付加することも出来ます。
さらに、もし助けが必要なら、"Custom Bookmaker"に連絡を取ることが出来ます。彼らは本の作成を助けしてくれる人たちです。
ユニークな点は何か?
Blurb はBookSmartという本の作成を補助してくれるフリーのソフトウェアを提供していて、Typepad や Live Journal といったサービスを使っているなら、それを使ってブログエントリーを本にまとめることが出来ます。さらにBlurbは、画像をFlickrやPicasaやSmugMugといったサービスから画像を取り込むことも出来ます。Macを使っているなら、IPhoto library と連携することも出来ます。
残念な点は何か?
デザインを選択することは出来ますが、テンプレートやレイアウトを独自に作ることは出来ません。また、BookSmart はかなり重いソフトウェアです。また、ライティング作業に関してはオンライン連携ができません。連携できるのは写真のみです。
価格
ソフトカバーは$12.95から、ハードカバーは$22.95から。
3. CreateSpace
CreateSpaceは2005年にAmazonに買収されました。Luluと似たようなサイトで、本の販売とデジタルメディアの販売環境を提供しています。
CreateSpaceは Amazon と連携しているので、Amazonで自分の書籍を売ることが容易になっています。また、ほかのサイトのように、公開と非公開の設定が出来ます。受け付けるフォーマットはテキストにしろ画像にしろ、PDFのみです。
ユニークな点は何か?
CreateSpace は自分の本をKindleに提供できる唯一のサービスです。さらに、作品には即座にISBNが割り当てられます。
残念な点は何か?
ハードカバーの本を作成するオプションがありません。
ユーザーはCreateSpace上に掲示板が持てるものの、他の自己出版系のサービスが提供しているようなソーシャルネットワーク的なツールがありません。
価格
標準的な白黒の本は一冊あたり3.66$から。標準的なカラー本は$6.55から。一冊あたり$39.00でPro Planにアップグレードできます。Pro Plan では、各セールスごとの作者の取り分が大きくなるほか、追加コピーの発注が安くなります。
4. CafePress
CafaPressは色々な店舗で自分の創作物を売る方法を提供しており、いまや1,5億もの商品(例えば衣服やギフトや本など)を扱う市場となっています。
ここでは自己出版を取り扱うことも出来ます。また他のサービス同様、CafaPressにおいても公開と非公開の選択が出来ます。PDFフォーマットで本をアップロードする形になりますが、サイズは100MB までとなっています。本のタイプに合わせて利用できる様々なテンプレートがあり、自分が読みやすいと思うように調整することも出来ます。
ユニークな点
CafaPressでは、様々なものを扱っています。本とか、CDとか衣服とか芸術作品などです。また個人出版サービスを利用するのに、サイトのメンバーになる必要はありません。
残念な点
ハードカバーを作成するオプションがありません。また他のサービスに比べるとナビゲーションがわかりにくいです。
価格
ページあたり$0.045 からで、一冊あたり$4の手数料がかかります。
5. WeBook
WeBookは、個人出版の楽しみを、ソーシャルメディアと合体させることができます。本を書いて他の作者とコラボレートすることが出来るのです。サイトではオンラインのテキストエディターを提供しており、FlickrやPhotobucketやPicasaなどの画像サービスと連携することも出来ます。
プライバシーには2つのレベルが用意されていて、作品を閲覧することが出来る人を設定できたり、内容を執筆できる人を設定できたりします。
一年を通じて、WeBookは提案期間を設けていて、その中で、作者は自分の本の出版を提案することが出来ます。作者は自分に有益なフィードバックをくれた人や本の作成を手伝ってくれた人とロイヤリティーを折半することも出来ます。
ユニークな点
作者は他の作者とコラボレートすることが出来ます。作者はお互いに出版提案されている本をレビューしたりレートをつけ、最も高いレートをつけた作品がWeBookで出版されることになります。
さらに、特に支援してくれたと感じるレビュアーと自分のロイヤリティーを分かち合うといった選択をすることも出来ます。
残念な点
自分が出版したいからといって、必ず出版できるというシステムではありません。全ては作品のレート評価次第です。また、他のワードプロセッサのテキストやPDFなどをインポートする機能はありません。
価格
$0です。6. Xlibris
Xlibris は1997年に創設され、最も早い時期に個人出版サービスを展開した会社の一つです。Xlibrisでは、作者はまずコンサルタントと話し合いをし、作者のニーズと合致したパッケージを提案する、といったプロセスから始まります。
本の全体デザインを作成して作者に送信し、作者に確認を取ります。全てよければ、その本はあなたのものとなり、あなたはそれをどこでも誰にでも販売することが出来ます。
ユニークな点
作者は自分の本がちゃんと出来上がるまで、無料相談を受けることが出来ます。革張りの本を作成することも出来ます。
残念な点
公開非公開の選択が出来ないことと、値段がちょっと高いところです。
価格
$299からです。