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血の道徳

 献血者を増やすために、少しでも良いから、献血をしてくれた人に金銭を支払うことにするとします。

 はたして献血者は増えるか?

 応えはNO。実は、こういうことをすると、献血者は逆に減る傾向があるのだそうです。

 なぜか。

 それは、報酬を支払うことにした瞬間、献血という「高潔な」行為が、「安い労働」に堕落してしまうからです。

 献血が単に金を得る手段なのだとしたら、小額の報酬では割に合わない。

 よって、人々はもっと割りのいい働き口を探すようになる、というわけです。

 つまり、けちな金を払うぐらいだったら、道徳的に高潔な行為のままにしておいたほうが、血は手に入れやすい、というわけですね。

 こういったことが「ヤバイ経済学」という本に書かれていました。

 大変おもしろい本でした。